乙は陰性の木星・弱いツル系の草花がイメージで、十干の中では己とともに力量が最も弱いとされ、他の十干に対する剋や相生の作用は微々たるものです。他の十干から受ける影響が運の吉凶に大きく作用する乙木の特徴と、他の十干との関係や象意について書いてみます。

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乙木の特徴

乙木は陰性の木・柔らかい茎の植物ですから、甲木の大樹のように自分の力だけで運を切り開く強さはなく、少しの風にも揺れる繊細な植物、強風が吹くと倒れてしまいますから、甲木が月干にあって支えてもらうことを一番に喜びます。

綺麗に花を咲かせ、収穫するには、丙の太陽と癸の雨水がバランスよく働くことが重要です。

乙木と甲木との大きな違いは、乙木の柔らかい茎は「庚辛金」から剋されることを強く恐れます。
柔らかく繊細な茎のお花やつる系植物ですから、辛の生け花用のハサミですら怖い存在となります。

また、短く小さな乙木の植物の根は、剋す力量が弱いので、戊土はもちろんのこと、己土でさえも寅卯の春の季節以外には、根をはることが容易ではなく、反剋されないか心配します。

乙木と他の十干との相互関係

乙-甲・劫財

乙のツル系植物にとって、甲木は自立する、また出世して高い地位に導いてくれる、助けてくれる支柱となり頼りになる存在、藤の花が樹木のてっぺんで花を咲かせる、藤羅繋甲(とうらけいこう)が理想となります。

30年前に、四柱推命を習いたてのころ、「劫財」は「凶星」と教えられました。
でも、乙木から甲木は通変性は「劫財」ですが、五行の関係を見た特、一番頼りになる・日干を強めてくれる大切な存在が、甲の劫財です。

さらに地支に寅卯の木星があって、乙木が通根することを喜びます。

ただし、寅卯の春月生まれで身旺の人に、甲木が巡ると自我が強くなりすぎて我儘で自己抑制がきかず、凶作用として働きます。

夏月には、水が蒸発して水が不足する季節には、身弱の甲木だとしても、少ない水を奪い合う関係となり、悪神となります。

乙-乙・比肩

乙木は、陰干のつる草です。
つる草同士ですから、日干を助ける作用は働かず、むしろツル草同士が絡まり合ってお互いに足の引っ張り合うなど、迷惑を被る関係。

自分の思うように動くことができず、誹謗中傷を受けるなど、神経過敏になりやすい事象がおこりやすく、ノイローゼになる可能性もあります。

乙-丙・傷官

丙火は、乙木のお花やつる草が成長するために必要な、太陽の光と熱です。
乙から、丙は傷官となります。

傷官は、凶星と扱われますが、乙木にとっては、成長するために大切な星、無くてはならない「傷官」、特に秋月や冬の季節に生まれた乙木にとっては、用神や喜神となります。

丙火の温かい陽射しは、積極的な性格や社交性となり、人当たりが良く、明るく朗らかな性格で、夢や希望を与える存在となります。

でも、夏の熱い季節には強烈な陽射しとなりますから、丙火が多くあれば凶星として働き、特に天干の現れる時、乙木を萎れさせる作用は強く働いてしまいます。

丙火が強すぎて、乙木は萎れて元気がなくなったり、枯れそうになると、感情をコントロールできず、ヒステリー気質だったり躁鬱の病が出やすくなる傾向がでます。

乙-丁・食神

丁火は燃える火・たき火がイメージ。
夏月には丙火ほどではないとしても、凶作用となります。

乙木は丁火にとって頼りないエネルギーではありますが、燃え続けるための燃料と見る時もあります。

丙の太陽のような広く大きな空間を温める働きは期待できませんが、秋や冬の季節には暖かい空間を提供できる喜神となります。

庚辛金が多い時は、火剋金と旺金の働きを抑制する炉火となります。

乙-戊・正財

戊土は陽干の土、高い山だったり、硬い岩盤の土です。

ツルや草花の柔らかい茎の弱いエネルギーでは、陽干の岩山を剋して根をはることは難しく、却って反剋されて根を痛めるかもしれません。

戊土との関係は、高すぎる目標や手が届きにくい環境、今の力量では実現不可能な自分にとっては高嶺の花を求め、大きな壁となります。

夏の季節で火のエネルギーが強く、水が蒸発しやすい時は強い凶作用がでます。

秋の季節の庚・辛の金星が旺じる時も土生金と、金のエネルギーを強めるため、凶星の働きをします。

乙-己・偏財

己土は大地・田畑の湿った柔らかい土です。

戊土の硬い土と違って柔らかい田畑の湿土ですから、乙の花やツル系植物にも剋して根をはることができます。

己は乙にとって、剋すことができる財星ですが、夏の季節には、火のエネルギーが強く水が蒸発して固い燥土になると、根を下ろすことができず、反剋を受けることになり、財や女性で悩むことになります。

乙-庚・正官

庚金は斧や刃物がイメージ。
庚金は斧やハサミで乙木を切り刻ざむ、乙木にとっては最も怖い存在の凶神です。

乙木は柔らかい茎の植物ですから、庚金に逆らうことはできません。

自分の良さがわかってもらえず、虐められたり、神経が休まらずノイローゼになりやすい傾向がでます。
ただし、癸水があれば「金水木」と自然な流れとなり、脅威を和らげてくれる働きをしますから、難が弱まります。

乙-辛・偏官

辛金は、乙木の植物にとって、生け花用のハサミや剪定ハサミなどの金属製品です。

辛金は小さな刃物と言えども、柔らかい茎の乙木にとってはいつ切られるか?と恐怖を与える存在、緊張する関係です。

特に秋や冬の季節は凶の作用として働きます。

ただし、春や夏の季節の植物が成長する身旺の時期に限って、茂りすぎた枝葉を剪定することによって、スッキリと形を整えて見栄えを良くしてくれる吉星として必要とされます。

乙-壬・印綬

壬は、大きな河など大量の水を表します。
慈雨の癸と違い、木を育てるよりも、バランスによっては根こそぎ押し流してしまうという関係になり、注意が必要です。

夏の季節の熱い時は、水が蒸発しやすく用神となりますが、秋や冬の季節で金星が旺じたり、水星が旺じる時は、強い凶作用を及ぼします。冬月生まれで亥子の水星が多く、天干に壬水が巡るときは、水大過となって氾濫を起こし、乙や甲は大洪水に飲まれて流木・浮木となります。

これは、安定した職場や家庭環境から不安定な環境に大きく変化する事象が起こり、精神的不安定になるなど鬱病になるなどの傾向がでます。

乙-癸・偏印

癸水は陰の水星で、井戸水や雨などを表し、乙の花やツル系の植物が育つにはとっても大切な関係です。

乙木は、春・夏の季節に、癸水が適切に働いてくれることによって、愛情をたっぷりと降り注がれ、瑞々しい魅力的な花として咲くことができます。

秋の季節は庚辛金が旺じますが、癸水があることによって乙木が切り刻まれる作用、金生水、水生木と金と木の間を取り持ち、金の官殺の剋を和らげてくれる、用神として働きます。

冬の寒い季節は、旺水をコントロールすることができなければ、精神面や生活環境が不安定となり、悲観的な考えしかできなくなり、鬱病や婦人科系、泌尿器科系の病気をを引き起こす傾向がでます。

まとめ

乙木と、他の十干との相互関係は、日干の強弱、どんな季節に生まれたかによって、十干の働きや関係の吉凶が大きく変化することを理解いただけましたでしょうか?

食神・財星・正官・印綬は吉星とは決まっていないのです。

乙木と丙の太陽との関係や、乙木と壬の川との十干の関係も、吉凶の関係が決まっているわけではなく、季節や環境によって、どんどん変化する可能性があると、考えてください。

日干を基準として、命式に月令が有る無しや、旺衰運によって、巡る十干の働きの吉凶は全然違うものになるのです。

四柱推命は奥が深く難しいと言われるのは、どう読み取るのか力量によって、違いがでるからでしょう。